父のお骨を樹木葬の霊園に改装した経緯

先日父親のお墓の引越しをしました。お墓というか遺骨ですね。
遺骨を永代供養をしてくれるお寺併設の霊園のようなところに移しました。お墓そのものは集合墓みたいになっています。
毎年の年間管理料なども不要でした。なぜわざわざ遺骨を移動したのか?その経緯をお話しておきましょう。

父が亡くなったのは20年以上前だったので何故今頃引越しをしたのかというと、父は長男で先祖代々のお墓を継いでいたわけですが(すでに父の両親は他界)、父が亡くなると当然その先祖代々のお墓に入るのが普通ですよね。
そして、そのお墓を継承するのは長男である私になるのですが、親戚の方たちとの話し合いで私、そして母親もこのお墓をみないことにしました。

なぜかというとこの家は以前から色々と問題が多かったので母親もあまり親戚づきあい自体したくないような感じで、当時私はまだ10代でしたのであまりよく考えずにお墓を承継しないことに決めました。

ただ、父のお骨は先祖代々のお墓に入れてもらうことにしたのです。なんか虫のいい話ですけど(笑)

では、先祖代々のお墓を継ぐのは誰にするのか?ということで父の弟さんがみることになりました。

ただそれから20年以上もたつと父の弟さんも亡くなりお墓を継ぐ人がいなくなったわけです。

お寺とすればお墓をどうするか?ということで母に色々と話があったようです。

お寺には毎年護持会費というものを3万円近く払っていましたが、お墓を持っていないということなのか正式な檀家としてみてはもらっていないような感じでしたね。墓地自体は空きがあるからそこに別途お墓を建てないか?みたいなことも言われていたようです。

つまり、先祖代々のお墓をみるつもりがないならそれでいいが、お宅は正式な檀家ではないしお墓もお宅らのものじゃない。従ってお墓を別途建てなさい。
はっきりと言われませんが要はこういうことでしょう。お墓建てないなら出ていけと・・・。
そもそも私にも子供がいませんしお墓を建てても結局みる人がいなくなる・・・

だとするならばお墓をわざわざ建てる必要もないのに少なくとも100万単位のお金をかけてお墓を建て、毎年護持会費、さらにはお経をあげてもらったりする際のお布施など数万円を支払い、お骨をお寺に預けるのはバカバカしいです。
ということでこの際、お骨を移そうということになったわけです。

この点、お墓を持っていないので逆に楽ですよね。お墓を持っていたら墓地を更地にして返す必要がありますのでかなりの費用がかかりますが、骨壺を持って行くだけでいいわけですから。

お墓を作るつもりはないので、納骨堂とかで永代供養をして頂けるところを探さなければいけません。しかし、これが結構大変でした。
出て行くお寺に相談するわけにもいきませんし(なんとこのお寺骨壺は勝手に持って行っていいということでなんの立ち合いもなし、骨壺も先祖代々のものが複数あるので特定するのにも一苦労でした)、まず、受け入れ先を決めてからでないと困ります。お墓を作るわけではないですし、料金面はともかく、近場でないとなかなかお参りにもいけません。そういった情報はなかなかありませんでしたが。

お墓がなくてもお骨を移動させるだけでも役所の許可が必要です。このあたりは私の経験を踏まえてこちらの記事をご参照ください。

お墓やお骨を移動することに抵抗がある方も多いかもしれませんが、中にはお寺との関係がうまくいっていないので別のお寺などに移動したい方もいらっしゃると思います。
そんな方は一度真剣に改葬を検討されてみてはいかがでしょうか。
お寺さんとは一生どころか子孫まで続くお付き合いでしょう。でも、そのお付き合い本当に必要ですか?
お骨を移動して本当にスッキリしました。

行政書士という肩書きがあってもなくてもかなり面倒な事だったのは事実です。
これがもし高齢の方ならおひとりだと難しい人もいるでしょう。
とは言え、自治体に提出する改装の許可自体は特に難しい書類ではありません。行政書士の仕事の範疇ですが調べてみるとこの手続きにかなり高額の料金設定をしている事務所もあり愕然としてしまいました。
もっとも、前述のようにお寺さんとの交渉とか、お墓を撤去して更地にする業者対応とか全て含むとすればそれほど高くないと思われる方もいるかもしれませんが。

このような経験もあり、死後のお手続きで困っている方に仕事内容に見合った料金でサービスを提供したいと考えました。